2015-01-01から1年間の記事一覧

ピーター・ブルック『バトルフィールド』のジャンベがヤバい

新国立劇場、開演は七時ごろ。初台駅に着いたあたりですでに道ができはじめていて、初めて行ったのだけど新国立美術館と同じようにどうやら地下鉄の駅からそのまま行けるらしい。演劇は高校のときに地元の高校生が文化コンクールみたいなので寺山をやってい…

冷やし中空

冷やし中華を食べる間もないままに夏が終わってしまった。おそらく、これはわが阿頼耶識に保存され、死後多大なる負債として現れるであろう。ゴミを出すのを忘れていた。流しはまだ掃除していない。おそらくこれも。巨大なぶっ飛んだスパンで構築されている…

セックスオンザ既視

鶏肉を醤油で煮込む。世知辛いくらいに暑い。圧力釜の底にこべりついたイベリコ豚の残骸を眺めている、うそ。ほんとはカナダ産。腐りかけのキャベツを千(実際は五十)切りにしている視界の先端に浮遊する油が眼鏡に付く、珍しくもも肉、いつもは胸肉なんて買…

ストロングゼロについて知っている二三の事柄

ア、バアバアバ。2009年である。テトラポッドの間に間にを漂うフナムシの光沢が二桁の予感を知らしめて、ハリーポッターはちょうど不死鳥くらい、俺は城跡の上で酒盛りを続けていたはず、スピークムネモシュネ、スピークムネモシュネ。蜂須賀公は盗賊からの…

肥満児が見てる

夕方に銭湯に行った。いつもは靴箱の33番を使うのだが、日曜日の夕方となると行楽を終えて戻ってきた親子やら若者やらでごった返して案の定空いていない。左横の41番にスリッパを入れた。目線の高さと手の高さにちょうど合う位置で、かつ覚えやすい数字かど…

成田エスプレッソ

黄緑色のトレーに乗った白色オンリーのサラダの群れを見ていると自らの色彩センスのなさに辟易する。しかしこの食堂のサラダは総じてクソ不味くいかに及第点を選び取るかが問題でして、そうなると無難なコールスローやおそらく不味くなりようのないポテトサ…

ポンカレーの見える海

地元マァヂ愛してっから、マァヂ地元愛してっから、ということを爆笑しながら話す人間の顔には、常に口の端の皺やらに暗いものがいつまでも付き纏っている。郷里の話なんぞしとうないしとうない!と駄々を捏ねていたものの、その、地元と呼ばれるものに付随…

夢でなし

久々に長い夢を見た、もう書いたので別に書かないけれど、よかった、夢の中で旅行するのはなんとも楽しい、けれど薄暗さがずっとあった、起きても暗いままだった。ビジネスホテルのカーテンの遮光性の高さは、普段日光でレムを阻害されてうううと起きるより…

居酒屋で忘れた煙草のラスイチにほら、その、もう少し下らへんというか、下降している感じみたいなものがあって、そいつらは頻りに信号待ちくらいで、刺してくる。学者の地層を眺めるときの目付きと、片眼鏡の奥で光る瞳孔の、その間に立ち尽くしている倦怠…

いぬくさい

うう、とかああ、とか喚いていたりする。犬臭い!築地市場のホルモン丼を考えて、まだまだ、状態はちっともよくない、漫然として、テンポがぜんぜん上がらない、た、あ、む、た、あ、む、……白線の内側を越えた双子の片割れ、冷静さを欠いたに違いない、それ…

膣内バレー

東京の話をしてみようとすると途端に途端にその、町がぼやけていく感覚がある。と言うのも実際二年ばかり住んでみたものの、未だ知っているのは微細な特徴だとかではなくて、単なる答え合わせに過ぎなかったからだ。感傷的な文章に合わせるために都市がある…

(汗)

実家は海沿いの神社の裏にあって、朱色のペンキで塗りたくった鉄の階段を上らないと居室に入ることができない。階段の天辺から転げ落ちる夢をこどものころに何度か見た。母親に聞いてみるとやはり落ちたようで、傷はなかったがたいそう泣いていたらしい。靴…

セイベベ

物心が付いた気が未だにしない。中空に自分の魂がふわふわと浮いたままで、日常的に幽体離脱しているからこのような身体なのかなあなどと体育祭で行進ができずに端っこの方に追いやられていたころ、思った。身体が不器用で、などと言い出すと、それは誰が、…