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世紀末試験

はじめ、魂はぴったり六芒星のままで結び付いていたのだろう。それぞれが球体になりたがって回転をはじめたとたんに、すきまにできた三角が刺さるようになった。
朝食のたびに「はじめ、」と繰り返してる感じ。試験監督の号令でいっせいに掻き込むごはん。スパゲッティーだったけど、一問も解けなかった数学の(きっと微積)文字列みたいに、そのまま口のなかに、忘れたみたいにすすられる。証明問題がきらいだった。そもそも眼鏡がなくて黒板が見えなかったので、よく見た映画の内容を必死に思い出していたら時間が過ぎていたことに味をしめて、何回も繰り返していたと思う。まだ誰かがインターネットじゃなかったころ。
部活の休憩中バスケットボールをつついたまま考え事するのが好きだった、そのときに回っていた球体は話しているときにくるくるする指になった。るとわーるだとか言いたくないけど、そうたぶん指はフォークだったりするし、だからそれが空間をどんどん殺してしまう。空間を殺すとそこになにものかを生んでしまうので、よくなかったと思う。頭をかきむしることも同じで、丸を作ってしまったことは少しばかりの罪悪になった。でも、試験監督は一汁二菜の順列を守らせるために「はじめ、」と何度でも言い続けるし、箸の動きは公転の速度で動き回る。「はじめ、」がBじゃなくてAであればよかったのにって話をぼくたちはする。喫煙所で水のなかに突っ込まれていやなにおいをするたばこはかみさまの逆再生で、雨が干上がってくるとそれ見ろ日輪。チャイムが鳴るまでに教室に帰らないと、時計の針が刺さってしまう。