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記憶がジェノサイド

起きて弟と「オムライスいるか」「くれあと水くれ」の応酬から二度寝して、債務や責務を忘れあと親に飯を無心した、オレキトクカネオクレ、頼む。十二時頃合いわりと絶望して(オムライスはおれが米炊くの失敗したから弟いわくは20点だった。おれは豚のように貪った)、じゅぎょーじゅぎょーと言いながら髭剃らず家を出ると真っ先に春風で記憶記憶記憶でわりとマジでジェノサイド。この間花見したときは近隣のあのおじさんおばさんたち(ネットによくいる)の実在性を確信して、トリガラおばさん相手に「ぶっちゃけよくわからんやないすか」となぜ初対面の人間に色恋どうよみたいな話してんのか自分でもわかんないままベラベラ喋ってて、たまにゲージュツってこれやん論をして、自分の行為の軽薄さに帰ってから死んだ。おじさんのひとりがツイッターやってたからフォローして、自分の頭の中にある姑息さどもとその撹拌のたぐいにやられてすぐブロックした。一生会わないと思う。別離の兆候と言えば友人が付き合い始めたと同時にまた別の友人は別れたりしてアー春だなあなんだろなあなんか死なねえかなあってなった。記憶はぬいぐるみみたいなものですがりついてるとその内ハウスダストにやられて鼻水がズルズル出る。そいつらが目に見えるとなおさらだ。
本の代金を無心してそっちは成功したのでお外に出てから歩いて歩いて駅に行って(間にたばこを買って)神保町まで行った。教室隅っこ系アベックの群れ群れと「とにかくセックスしたい」と「あーでもそれで」と信号機の青と緑の区別と肩甲骨近くの皮がつかまれる感覚とトイレで見る自分の死んだ目と涙袋松屋の牛丼と眼帯とマスクと金麦の缶とロングピースデーヴァナーガリー文字と記憶記憶記憶、サンスクリット語の教科書、四千円。約一カートン。戻ってきて友人たちに会って限界だったから居酒屋で「とりあえず今日は死にたい」みたいな会話をしてまた記憶記憶記憶。コイントスは失敗、おれはお家にとぼとぼ帰る、向こうの空の明るさからぬいぐるみたちの空襲を想い浮かべる。